Netflixが放映権をかけてWBCの独占配信をすることについて、視聴者はどう動くことになるかというブログを書きました。 この記事。
日本でのWBCの関心度はどうだったでしょうか。前大会までの地上波お祭り騒ぎに比べると、「観たい人だけが観る」というクローズドな盛り上がりになった感は否めません。かつての「国民的行事」から、視聴者の趣味別の「セレクトコンテンツ」に変わった瞬間だったのかもしれません。
実際、韓国でもJTBCが五輪の独占放映権を確保したことで、地上波での露出が減り、関心の低下が懸念されています。国全体で熱狂する機会が減ってしまうのは、少し寂しい気もします。こうした事象・現象には、いろいろな要素が詰まっているかと思います。スポーツ観戦の将来像については今後の私の関心事にしていきたいと思います。
ビジネス面ではどうだったのでしょうか?
話題にしたことは、もう1つあって、Netflixの独占配信がビジネスとして成功するかどうかでした。これについては結果的どうだったのでしょうか。
産経リサーチ&データや日本経済新聞の試算を合わせると、WBC観戦目的に約300万〜500万世帯が新たにNetflixの新規契約したことになります。 その後、日本がベネズエラ戦で敗退したことを機に、Netflixの契約を解除する動きが話題となりました。SNSでもトレンド入りするほどであり、おそらく3割〜6割程度が契約を解除したのではないかと推測されます。
それ見たことか、「一時的に会員数を増やしただけではないか」という声もあるかもしれません。しかし、多くの人は300万〜500万人もの新規契約者の増加に驚き、これは長期的に見てNetflixの成功だと捉えたのではないでしょうか。仮に契約解除者が多く見積もって6割に達したとしても、4割は残ります。つまり、およそ200万人規模のサブスク契約者の純増につながる計算です。
マーケティングの用語に「AIDMA(アイドマ)」というものがあります。これは消費者の購買心理プロセスを表したもので、「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取ったものです。まず商品を認知し、興味を持ち、欲しいと感じ、記憶に残り、最終的に購入に至る——マーケティングの基本的な流れです。
今回のNetflixの第一の目的は、AIDMAでいうところの「Attention(注意)」で、まず顧客にサービスを認知してもらうことにあったと言えるでしょう。これについては、300万〜500万人もの人にまずは手に取ってもらえたのだから大成功と言っていいでしょう。そして結果として約200万人を獲得したとすれば、仮に150億円規模の投資であっても、1年以内に回収できる可能性は十分にあると考えられます。
まとめ
Netflixは約200万人の新規契約者を獲得し、次なるビッグマッチを探していることでしょう。
MLB(メジャーリーグベースボール)の放映権は現在NHKが保有していますが、今回のWBCの盛り上がりを受けて、次回の契約更新では放映権料がさらに高騰する可能性があります。
テレビが視聴者を増やし、その育った果実を有料配信サービスがごっそり持っていく——そうした構図には、どこか無常さすら感じてしまいます。
参考資料 集英社オンライン:WBC敗退で「ネトフリ解約」トレンド入り…
