樽に住む凡人

「樽に住む哲人」ディオゲネスは地位や物質的な豊かさに見向きもせず、何ものにもとらわれずに真理を追求した。本ブログはディオゲネスにはなれない凡人が時事について思索を巡らせる場である。

2026年GWは“安・近・短”が主流?最新データで見る過ごし方

GWの予定は決まった?2026年の連休の過ごし方 みなさん、今年のゴールデンウィーク(GW)の予定はもう決まりましたか?「カレンダー通りだよ」という方は、まず4月29日(水)が休日で、その後、5月2日(土)〜5月6日(水・振替休日)が嬉しい5連休になりますね。もし、思い切って5月7日(木)と5月8日(金)に休暇を取れば、なんと最大9連休になります。9日間もあったら、みなさんは何をしたいですか?

意外と知らない?祝日の意味

ところで「せっかくの休みだけど、今日って何の祝日だっけ?」とならないために、サクッとおさらいしておきましょう。

  • 4月29日「昭和の日」:昭和天皇の誕生日です。
  • 5月3日「憲法記念日」:1947年に日本国憲法が施行された日です。基本原則の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」は、私たちの暮らしの根幹ですね。
  • 5月4日「みどりの日」:以前は4月29日がこの名前でしたが、2007年から連休を充実するため5月4日に移動しました。自然に感謝して、豊かな心を育む日とされています。
  • 5月5日「こどもの日」:もともとは「端午の節句」といい、男の子の成長を祝う行事でした。ちなみに3月3日は「桃の節句」で女の子の成長を祝います。

GWはどう過ごす?最新のトレンド

5連休、9連休もあるから「みんな旅行に行ってるのかな?」と思いきや、意外と現実的な声も多いようです。

「ぐるなび」の調査によると、GWにしたいことは

  1. 自宅で過ごす(37%)
  2. 外食(33%)
  3. ショッピング(20%)

と続きます。上位の回答を見ると、「少しぜいたくな普段の休日」といった過ごし方が主流で、GWだからといって特別な予定を入れる人ばかりではないようです。

一方で、「旅行」と答えた人は、日帰り旅行(17%)国内旅行(9%)となっており、合わせて3割弱の人が何らかの外出予定を立てていることがわかります。

また、「いこーよ総研」の調べによると、お出かけ派が予定しているスポットは

  1. 公園・総合公園(41%)
  2. テーマパーク・遊園地(28%)
  3. 動物園・サファリパーク(26%)

となっており、遠方への旅行というよりも、家族で気軽に楽しめる屋外スポットが人気のようです。

物価高がGWを直撃か

ただ、気になるのはお財布事情です。「Job総研」の調査では、約6割(58.8%)が物価高の影響で「過ごし方が変わる」と回答しています。原油価格の高騰などを背景に、遠出を控え、「近場でおいしいものを楽しむ」といった“タイパ・コスパ重視”の傾向が強まっているのかもしれません。

最高の「安・近・短」を探して

結局のところ、今年のGWは「家でのんびり」か「近場でリフレッシュ」が主流になりそうです。物価が上がっても、連休そのものの価値が下がるわけではありません。

「せっかくの連休なのに、結局Netflixを見て終わってしまった…」と自分を責める必要はありません。自分がリラックスできる時間を持つことこそが大切です。

近所の公園で、一人でもいいし、友だちとでもいいし、家族とでもいいし、少しぜいたくなお弁当を楽しむ――そんな過ごし方こそ、2026年らしい「賢い連休の過ごし方」なのかもしれません。

本を読まなくなったのは、私たちのせいだけじゃない?

「読書をすると頭が良くなる」 そんな言葉を一度は耳にしたことがありますよね。でも、現実を見渡してみると「最近、全然本を読んでいないな」という人の方が、実は多数派ではないでしょうか。

なぜ、私たちは本を読まなくなってしまったのか。その理由を少し考えてみました。

街から「好奇心の入り口」が消えている

ところで皆さん、最近「本屋さん」に行きましたか? 買うつもりがなくても、なんとなく自分の興味がある棚を覗きに行く、そんな時間を最近過ごしたでしょうか。「ここ1、2年、一度も行っていないかも」という方も少なくないはずです。

それもそのはず。そもそも「近所に本屋がないから、寄りたくても寄れない」という切実な事情もありますよね。5年前までは自転車でサッと行けた近所の本屋さんが、いつの間にか閉店していた。そんな時代です。

実際、出版科学研究所のデータによると、日本の書店の数はこの10年間で半減しています。いわゆる「街の本屋さん」が姿を消した背景には、Amazonなどのオンライン書店の普及や、在庫の豊富な大型チェーン店の台頭があるのでしょう。

もちろん、オンライン書店は便利です。本屋に行かないでもすぐに本が手に入りますからね。

あまり本を読まない人は、話題作をネットでピンポイントで購入するだけで終わってしまうことが多いでしょう。 一方で、月に数冊読むような読書家は、オンラインでの購入に加え、関連する知識を求めて大型書店または図書館へ足を運びます。 こうした行動の違いから、「読書格差」とも言える状況が生まれているように感じます。

何が言いたいかと言うと、「本屋さんでブラブラする」ことの価値です。

書店に足を運び、実際に本を取って数ページ読んでみると知識欲が刺激され、1冊の本から関連書へと関心が広がり、自分の読みたい本の幅も広がっていくのではないか、ということです。

「おすすめ」は、夏休みの推薦図書に似ている?

ネットの「おすすめ機能」は、自分の好みを分析してくれるので受動的になりがちです。一方、本棚の間を歩いて自分で本を手に取るのは、とても能動的な体験です。一つの本から予期せぬ知識へと繋がっていくあの感覚は、リアルな書店ならではの醍醐味ではないでしょうか。

ネットで買い物をしていると、「よく一緒に購入されている商品」や「あなたへのおすすめ」といった言葉が次々と目に飛び込んできますよね。アルゴリズムが自分の好みを先回りしてくれるのは、確かに効率的です。

でも、差し出された本をそのまま読むのって、なんだか「夏休みの推薦図書」をこなしているような感覚に似ていませんか。 「これ読みなさい」と言われた本も、もちろん大事です。でも、その本のあとに次の読書に続くことはあまりないような気がします。 「自分が読みたい」という能動的な姿勢があってこそ、次の読書に続くのではないでしょうか

まとめ

つまり、本を読まなくなったのは、近くに本屋さんがなくなって、オンライン書店ばかり眺めていて、実際に本を手に取る行為がなくなったことが原因ではないかということです。当たらずといえども遠からずと思いますが、どうどでしょうか。

田舎で、近くに本屋さんがなくなっても、図書館はありますので、実際に本棚の前まで行って能動的に本を探してみませんか。思いがけない発見があるかも知れません。

「読書がどう頭に良いのか」については、また今度じっくり書いてみたいと思います。

参考

日本の書店数 | 出版科学研究所オンライン

自己紹介がうまくいかないのは「あなただけ」じゃない。自分を出せない心理学的なワケ

新しい職場や学校「早く馴染まなきゃ」と思えば思うほど、言葉が詰まってしまうことってありますよね。自己紹介で「よろしくお願いします」としか言えず、後で「もっと面白いこと言えばよかった…」と自己嫌悪に陥ってしまう。

実はそれ、あなたの性格の問題ではなく、「公的自己意識」という心の仕組みがちょっぴり強く働いているだけかもしれません。

「公的自己意識」ってなに?

簡単に言うと、「ほかの人から自分がどう見られているか」の意識ことで、頭の中に「ほかの人の目」というカメラが常にあるような状態です

実はこの意識、社会を生きる人なら誰もが持っている大切な感覚なんです。こうした感覚がないと他者と調和して生活ができないですね。

  • 周りに合わせた行動を取る
  • 相手の振る舞いから気持ちを察する

この意識が高い人は、気遣いができる優しい人である反面、あまりにも高くなってしまうと自分を出すことにブレーキをかけてしまいがちなんです。 「変なやつだと思われてないかな?」「今の発言、空気壊したかな?」と、不安が膨らんでしまうんですね。

心を少し軽くするための「3つのヒント」

過剰な「ほかの人から自分がどう見られているか」の意識を軽くするには、こんな考え方を取り入れることが言われています。

・「スポットライト効果」を知る

スポットライト効果とは、自分の服装や行動などが「周囲から実際以上に注目されている」と感じてしまうこと。みんな自分のことで精一杯。自分が思うほど、ほかの人は自分の行動などを覚えていないものです。あなたが気にする「失敗」も相手は何も感じてないことが殆どです。

・意識の矢印を「外」に向ける

「自分がどう見られるか(内側)」ではなく、「相手はどんな人かな?(外側)」に意識を向けてみることも大事です。質問を一つ用意しておくだけで、会話のハードルはグッと下がります。

・「とりあえず挨拶」を100点とする

「よろしくお願いします」と言えたなら、その場の最低限の任務は完了です。それ以上の付加価値は、慣れてからゆっくり出していけばいいんです。気にしない、気にしない。ほかの人は変な人なんて思っていませんから。

私たちは「普通」を演じすぎてませんか?

新しい環境で「本当の自分」を出せないのは、あなたがその場所を大切にしようとしている素敵な証拠です。 皮肉なことに、私たちは「変に思われないように」と普通を装うことに必死になりすぎて、結局誰の印象にも残らない「透明人間」を演じてしまうことがあります。でも、少し噛んでしまったり、言葉に詰まったりする姿こそが、案外「人間味」として相手に安心感を与えるものです。 明日からは、「かっこ悪い自分を少しだけ見せてあげる」くらいの気持ちで、肩の力を抜いてみませんか?

参考

自己意識(2):「私的自己意識」VS「公的自己意識」 – 匠ブログ スポットライト効果【心理学用語集】自意識過剰な私の克服法

吉野家の「本気ラーメン」?

吉野家で時々見かける「麺」の限定メニュー。でも、吉野家はあの有名ラーメン店の『せたが屋』をグループに持っているんだから、本格的な味を吉野家で出せばいいのにって思うのは、私だけでしょうか。

もちろん、麺、スープ作りのノウハウはあるので技術的には再現可能でしょう。でも、そこには「カニバリゼーション」という高い壁があるのかもしれません。カニバリゼーションとは、自社商品が自社の他の商品を侵食してしまう、いわゆる「共食い」のことをいいます。
もし吉野家のメニューに「せたが屋直伝!煮干しラーメン」なんて載ってしまったら。私だったら、間違いなくそっちを注文してしまいます。そうなると、看板メニューである牛丼の売上が落ちてしまいます。会社としては全く旨味のない商売です。そう考えると、吉野家のメニューに「煮干しラーメン」が載ることはないでしょう。

狙いは「日本」ではなく「世界」?

では、なぜ大手飲食チェーンは、こぞって人気ラーメン店を傘下に収めるのでしょうか。「弱肉強食の買収劇」なんてイメージもありますが、実際はもっと前向きなパートナーシップのようです。材料の仕入れルートを共有したり、店舗展開のノウハウを教え合ったりと、お互いにメリットがあります。

そして、その本当の狙いは「海外市場」にあるといえそうです。 今や日本のラーメンは、世界中で「UMAMI(旨味)」を象徴する大人気グルメ。農林水産省のデータでも、海外の日本食レストランはここ数年で約3倍に急増しています。農林中央金庫の調査によれば、外国人が知っている日本食として、ラーメンは「すし」に次ぐ堂々の第2位!です。まさに、ラーメンは今や「日本食の顔」なんです。

[アグビジ]ラーメン市場 大手外食が参入 / 日本農業新聞

農林水産省(訪日外国人からみた日本の“食”に関する調査)

10年後の「世界一」を目指して

吉野家が2025年に発表した中期経営計画では、驚くべき目標が掲げられています。それは、「ラーメンを牛丼・はなまるうどんに続く第3の柱に育て、10年後に提供食数で世界ナンバーワンを目指す」というもの。 国内では牛丼とのバランスを考えて慎重ですが、世界という広い土俵では、吉野家は本気で「ラーメン王」の座を狙っているようです。

吉野家ホールディングスは近年、ラーメン事業の拡大を打ち出しており、牛丼・うどんに続く新たな柱として育成する方針を示しています。 具体的には、ラーメン事業の強化や海外展開を進めることで、将来的に大きな収益源にする狙いです。国内では既存事業とのバランスを取りながら、海外ではラーメンを武器に成長を狙っていく。

吉野家の「本気ラーメン」は、日本では控えめに、しかし世界では大胆に展開されていくのかもしれません。

脳を操っているのは「腸」!?知られざる腸と心の関係

腸内フローラを整えると「美容・免疫力が上がる」というのはよく聞く話ですが、実は「記憶力や認知機能」、さらに「心の病」にまで影響を与えるということ知っていましたか?

「お腹の調子で性格や気分が変わるなんて……」と、ちょっと信じがたいですよね。でも近年の研究では、「腸脳相関」という仕組みを通じて、腸内細菌が私たちの気分や脳の働きをコントロールしている可能性があることが確認されています。

幸せホルモンは「腸」で作られる?

事実、幸福感をもたらす「セロトニン」の約90%は腸で作られています。他にも、やる気に関わる「ドーパミン」や睡眠に欠かせない「メラトニン」などの合成にも腸内細菌が深く関わっています。
腸内環境が整うことで、これらの物質が脳へ影響を与え、結果としてストレス耐性が強くなったり、不安やうつっぽさが和らいだりするというわけです。

誤解されやすい点として、「セロトニンの約90%は腸で作られている」と聞くと、腸で作られたセロトニンがそのまま脳に届いて、直接働いているように感じてしまいがちです(実際にそのように説明している本もあります)。しかし、実際にはそうではありません。

腸で作られたセロトニンは脳の中に入ることができません。腸で作られたセロトニンは「血液脳関門(BBB)」という脳を外からの有害な物質から守るためのバリアのような仕組みによって、脳の中に入ることができないのです。

「じゃあ、腸は脳(心)と関係ないじゃない?」ということになりますね。
実は、腸はセロトニンの材料となる物質を作り、脳へ送り届ける役割を担っています。例えば、セロトニンであれば、その原型であるトリプトファンやビタミンB6などがそれにあたります。
トリプトファンやビタミンは脳に届くので、脳はその材料を使って、自分自身でセロトニンを合成しているということです。

つまり、腸はセロトニンを直接脳に届けているわけではありませんが、その材料を通じて間接的に脳の働きに関わっているのです。その結果、記憶力や認知機能、さらには気分や心の状態にも影響を与えていると考えられています。

腸と脳が相互に信号を送り合う。腸は「第2の脳」

おもしろいことに、人の体が受精後に掲載されていくとき、脳よりも先に「腸のもと」が作られます。腸には約1億個もの神経細胞があり、「腸管神経系」として、ある程度は脳の指示がなくても働くことができます。 脳と腸は、「迷走神経」という太い神経でつながっていて、お互いに情報をやり取りしています。しかも、腸から脳へ送られる情報のほうが多いともいわれています。

信号の流れ 信号を受けた結果
腸 → 脳 ・お腹が空くと食物を欲する。
・腸内環境が乱れると気分が落ち込む。
・腸内環境が好調だと気分が上がる。
脳 → 腸 ・ストレスを感じるとお腹を下す。
・不安になると胃腸が痛む。

こうした関係から、腸は「第2の脳」と呼ばれることがあります。ただし、もう一つの脳があるというよりは、腸が独自の働きを持ちながら脳としっかり連携している、と考えるとイメージしやすいかも知れません。

このような腸と脳のつながりは「腸脳相関」と呼ばれます。最近の研究では、腸内フローラ(腸内細菌)が、消化だけでなく脳の発達や心の状態にも関わっている可能性が示されています。自閉スペクトラム症やうつ病、認知症などとの関係も指摘されています。

まとめ

今回の話は、「腸内フローラを整えれば幸せになれる」というものではありません。腸内フローラは、体調や心の調子を整える“土台”をつくるもの、と捉えるのが近いです。

もし「幸せになること」を「自分の好きなことを見つけて、それに熱中できること」と考えるなら、体調や心の状態が整っているほうが、好きなことを受け入れやすくなり、自然と熱中もしやすくなります。

さらに、何かに熱中して楽しい状態になると、脳から腸へ“良い影響”が伝わり、副交感神経が優位になります。その結果、消化管の動きが活発になり、胃腸の働きも整いやすくなります。

こうして、腸と脳の間で良い循環が生まれていく、そんな話でした。

参考記事

日本のエネルギー未来:化石燃料からの脱却(1)

日本はこれからもずっと、石油や石炭などの化石燃料に頼り続けていくのでしょうか。
これまでどこか曖昧だったエネルギーの課題が、現在の中東情勢を見て「あ、これはヤバいかも」と現実味を帯びてきました。いや、本当は以前から気づいていたのに、あえて見ないふりをしてきただけなのかもしれません。

2022年ロシアによるウクライナ侵攻後も日本はロシア産LNG(液化天然ガス)の輸入を大きく減らせずにいます。 それに対して、対照的な動きを見せたのがドイツでした。ドイツはもともとロシアへの依存度が55%と非常に高かったものの、2022年には供給を停止し、調達先をアメリカや中東へと切り替えました。そのスピード感は驚くべきものです。

もっとも、調達先を変えただけでは他国依存であることに変わりはありません。ドイツの真の強みは、太陽光や洋上風力といった「再エネ」に本腰を入れた点にあります。2021年に約42%だった再エネ比率は、2024年には60%を超える水準にまで上昇しました。まさに「依存から自立」への転換です。

一方、日本の「第7次エネルギー基本計画」(2025年2月閣議決定)では、再エネ比率を40~50%まで引き上げる目標が掲げられています。日本がこれから本当に力を入れるべきなのは、資源の調達先を探すことではなく、自分たちの足元にあるエネルギーをどう活かすか、という視点ではないでしょうか。

なぜ日本は「足踏み」しているのか?

「ドイツにできて日本にできないはずがない」と思いたいところですが、日本には特有のハードルがあります。

  • 送電網の制約
    欧米では需要地の近くに再生可能エネルギー発電所を設置し、送電ロスを抑えています。一方、日本では平地が少なく、需要地の近くに大規模な発電所を建設することが難しいのが現状です。

  • コストの壁 山地が多い日本では、平坦な土地が多い欧州に比べて太陽光パネルの設置コストが高くなりがちです。実際、発電コストは欧州の約2倍とするデータもあります。

  • 「中国依存」というリスク 現在、日本で使用されている太陽光パネルの約8割は中国製です。中国政府の輸出規制や補助金制度の変更による価格上昇リスクも指摘されています。「必要なときに調達できない」「急に価格が上がる」といった不安が、企業や自治体の導入判断に影響している側面は否定できません。

私たちがこれから力を入れるべきこと

第7次エネルギー基本計画では、2040年度に再エネ比率40~50%という野心的な目標が掲げられました。これを「絵に描いた餅」で終わらせるわけにはいきません。単なる他国依存ではなく、協力関係を築きつつも、自国の技術を基盤としたエネルギー自立を目指す必要があります。

  • 次世代技術への投資
    窓や壁にも設置できる「ペロブスカイト太陽電池」や、海上に設置する「浮体式洋上風力」など、日本の地形的制約を克服する技術の育成が不可欠です。

  • 送電網のアップデート
    電力を効率よく全国に届けるため、老朽化したインフラの更新と広域的な連系強化が求められます。

  • 「国産」エネルギーの強化
    他国依存からの脱却に向け、日本発の技術であるペロブスカイト太陽電池などの国内生産体制を整備する必要があります。

まとめ

結局のところ、日本は「便利な化石燃料」というぬるま湯から抜け出す決断ができていないだけなのかもしれません。 ドイツと日本の違いは、技術力ではなく「危機感」の差にある可能性もあります。

遠い国の紛争を“どこか別世界の話”として見ているうちに、私たちが指したコンセントの先が空っぽになってしまわないか、少し心配です。——そんな不安を覚えます。

次回は、原子力発電と次世代エネルギーの活用について考えてみたいと思います。

daiture.hatenablog.com

参考記事

WBC独占配信でNetflixは「勝ち」を収めたのか?数字から見るスポーツ視聴の未来

Netflixが放映権をかけてWBCの独占配信をすることについて、視聴者はどう動くことになるかというブログを書きました。 この記事。

daiture.hatenablog.com

日本でのWBCの関心度はどうだったでしょうか。前大会までの地上波お祭り騒ぎに比べると、「観たい人だけが観る」というクローズドな盛り上がりになった感は否めません。かつての「国民的行事」から、視聴者の趣味別の「セレクトコンテンツ」に変わった瞬間だったのかもしれません。

実際、韓国でもJTBCが五輪の独占放映権を確保したことで、地上波での露出が減り、関心の低下が懸念されています。国全体で熱狂する機会が減ってしまうのは、少し寂しい気もします。こうした事象・現象には、いろいろな要素が詰まっているかと思います。スポーツ観戦の将来像については今後の私の関心事にしていきたいと思います。

ビジネス面ではどうだったのでしょうか?

話題にしたことは、もう1つあって、Netflixの独占配信がビジネスとして成功するかどうかでした。これについては結果的どうだったのでしょうか。

産経リサーチ&データや日本経済新聞の試算を合わせると、WBC観戦目的に約300万〜500万世帯が新たにNetflixの新規契約したことになります。 その後、日本がベネズエラ戦で敗退したことを機に、Netflixの契約を解除する動きが話題となりました。SNSでもトレンド入りするほどであり、おそらく3割〜6割程度が契約を解除したのではないかと推測されます。

それ見たことか、「一時的に会員数を増やしただけではないか」という声もあるかもしれません。しかし、多くの人は300万〜500万人もの新規契約者の増加に驚き、これは長期的に見てNetflixの成功だと捉えたのではないでしょうか。仮に契約解除者が多く見積もって6割に達したとしても、4割は残ります。つまり、およそ200万人規模のサブスク契約者の純増につながる計算です。

マーケティングの用語に「AIDMA(アイドマ)」というものがあります。これは消費者の購買心理プロセスを表したもので、「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取ったものです。まず商品を認知し、興味を持ち、欲しいと感じ、記憶に残り、最終的に購入に至る——マーケティングの基本的な流れです。

今回のNetflixの第一の目的は、AIDMAでいうところの「Attention(注意)」で、まず顧客にサービスを認知してもらうことにあったと言えるでしょう。これについては、300万〜500万人もの人にまずは手に取ってもらえたのだから大成功と言っていいでしょう。そして結果として約200万人を獲得したとすれば、仮に150億円規模の投資であっても、1年以内に回収できる可能性は十分にあると考えられます。

まとめ

Netflixは約200万人の新規契約者を獲得し、次なるビッグマッチを探していることでしょう。
MLB(メジャーリーグベースボール)の放映権は現在NHKが保有していますが、今回のWBCの盛り上がりを受けて、次回の契約更新では放映権料がさらに高騰する可能性があります。

テレビが視聴者を増やし、その育った果実を有料配信サービスがごっそり持っていく——そうした構図には、どこか無常さすら感じてしまいます。

参考資料 集英社オンライン:WBC敗退で「ネトフリ解約」トレンド入り…